仙台・東北の歴史や文化に関連する記録を元に作成したWebマップを公開しています。主な内容としては、江戸時代の旅日記や紀行文を素材に、旅人たちが辿った道筋の情報について掲載します。それとともに、仙台を中心とする歴史災害について、古文書に記された情報も掲載します。なお、関連する写真や資料(Web公開に差し支えのないもの)について、随時募集しています。
小津久足「陸奥日記」Webマップ(Google map版)
小津久足(おづ・ひさたり/号:桂窓けいそう 1804~1858)は、伊勢・松坂の商人で、江戸・深川に拠点を置く豪商、干鰯問屋の湯浅屋与右衛門家の6代目当主です。彼はまた、約7万点の歌、26編の紀行文、さらに蔵書「西荘文庫」の形成と、滝沢馬琴ら文化人との交流をおこなった文化人としての顔を持っていました。
「陸奥日記」は、天保11年2月27日から3月27日(西暦1840年3月29日~4月29日)の、久足の江戸・深川から陸奥・松島までの旅を描いた作品です。その客観的で詳細な描写、率直な批評は、江戸紀行文学の代表作にして到達点、という評価もあります。その「陸奥日記」の経路を、久足自身の文章と概説、現代の写真などと合わせて掲載します。
参考 板坂耀子『江戸の紀行文 泰平の世の旅人たち』(中公新書 2011年)
菱岡憲司『小津久足の文事』(ぺりかん社 2016年)
天保6年閏7月7日(1835年8月30日)仙台藩領の洪水
天保6年閏7月6日夜(西暦1836年8月28日)から翌日の朝にかけて、仙台の城下町や領内各地は、台風と思われる暴風と大雨に襲われ、各地に大きな被害が出ました。この地図は、古文書の記述を元に、仙台藩領での被害状況についてマークしたものです。
参考文献
佐藤大介『18~19世紀仙台藩の災害と社会 別所万右衛門記録』(東北大学東北アジア研究センター叢書38 2009年)http://hdl.handle.net/10097/00128125
佐藤大介「中井家文書に見る仙台藩の災害」『滋賀大学経済学部附属史料館研究紀要』50、2017年 http://hdl.handle.net/10441/15065
青柳周一「 日野商人・中井源左衛門光基の旅日記について : 東北地方での商業活動と地震の記録」『彦根論叢』395,2014年
http://hdl.handle.net/10441/11277