またしても九州で水害となってしまいました。被災地の皆様へのお見舞いを申し上げるとともに、どうぞ今後もご用心ください。
2年前の7月11日、参議院に参考人招致され、防災上からも、被災者への支援という意味でも、古文書保全の意義を訴えました。そんな日なので、そこでも報告した、天保6年閏7月7日(1835年8月30日)仙台藩領を襲った台風・洪水の被害地のGoogleマップを公開します。
現在の春日町あたりに屋敷のあった仙台藩士・別所万右衛門、仙台城下町は大町に支店のあった近江商人・中井源左衛門、同じく国分町の近江商人と交流のあった磐井郡藤沢町の商家・皆川久蔵の記録から復元したものです。仙台城下町、仙台藩領はもちろん、遠く鹿島灘にまで影響が及んでいました。
広瀬川の河岸段丘に広がる仙台城下町の、国分町や南町でも浸水して建物の二階に逃げた、というのはにわかに信じられません。しかし、同じ時代の複数の記録があり、さらに1888年の洪水でも両町は浸水したとの記録もあります。
もはや土木的に克服できているという考えもあろうが、雨量の前提が変わってしまっている現在、決して絵空事とはいえないでしょう。仙台の街の歴史、お住まいの地域の災害の歴史を知るのに、ご活用いただければ幸甚です。